聴覚と私/優しき夜風

止まない風の音を
それでも追ってしまう聴覚は
そのとき、きっと私そのものなのだ
しょせん独りきりでありたくない
寂しい、哀しい、と態なく嘆く私なのだ

なにが、とも寂しいこともなく
なにが、とも哀しいこともなく
ただ寂しさと哀しさのなかにあって
逃れられないままの私なのだ

見ること、触れること、聞くこと-
すべてを奪われたものたちに対して
寂しく哀しく、拓かれた
微かな感触としての聴覚こそは
寂しさと哀しさを引き受け
私の代わりに私となるのだった
風の優しさに甘える
子供のような聴覚こそが
私の偽らざる姿の影なのだ
2014-09-18 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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