帆船の夢

帆船は、いくつもの小島を眺める
無風帯のなかにいる
吹く風によりは吹かない風に
問うことは与えられるか

想い出のなかでだけ舞う枯葉のように
ただ薄れ消えゆくことだけが許された
飛行機雲を追う飛行機は
与えられない水平線を探している

イカリは定めではなく
むしろ帆船をあらしめる恩寵であったが
海底は深く、海山の頂きにすら届かず
ただ帆船を揺らす波を増幅している

霞む白浜では
恋人が番いの鳥のように手を振り
帆船の行方を求めているが
それもまた光の幻に過ぎないのだろう

静かな帆船の横腹を波が撫で
すぐに訪れる月夜に海は更に静かで
星を映す海面を永遠に広げようとしている

帆船の夢のなかでは一番いの鳥が白くなり
昏い海と昏い空を一つにして
別れるだけの旅を飛び立っていった
帆船は無風帯にあって小島は
もう、どこにもなかった
2014-09-18 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

拝啓




Author mak From "空白"

想一葉、兼訪問帳

星々の冷却(書肆侃侃房)
渓谷0年(オンライン版)
Both by mさん

【 無意味という意味 】
すこしの風を追いかけて
【 短文 】
大海にも降る一滴
2015.07.17.

For Admin

落書内検索

月毎落書

一言お報せ

リンクは勝手に頂戴、削除してます
ご迷惑な場合は、ご一報下さい



メール・チェックは非常に稀です


BlogPeople

出現するかもエリア-転記候補