海へと歩む

そっと空に覆われたように無数の葉が
まだ青いまま散り、路面一杯に萎びた青臭さが乾くと
人知れぬ優しげな雨が約束された残酷さで降り始め
乾き砕けることも許されずに
樹から離れた青葉たちは匂い立つ

群葉に遮られると弱い陽光が流星群のように飛び交い
小脇に本を抱えた娘がかがんで一枚の葉を指に挟んで取り上げ
もう水を運ぶことのない葉脈を、そっと指先で触れ
その静けさを、触れられない深い内奥を想い出すように瞳を閉じる
広大な宇宙に匹敵する、たった一枚の青い落葉に潜む細部-

やがて娘は葉の湿りを拭うように、温めるように
ただ一枚の葉を幾度も手のひらで挟んでは見つめ、と繰り返し
納得した笑みを浮かべると本の見返しに挟み
海へと繋がる長い階段を、乾いた風を背に受けながら
永遠に近い時間を掛けて歩み下ってゆくのだった
2014-09-19 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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