ぼうっと立つ電信柱たちを過ぎよ

幾千、幾万という
数え切れぬ詩人のことばたちが
青いまま散ってゆく葉のように
あるいは遠くから訪れた渡鳥が降り立つように
ただ、ぼうっと立つ電信柱たちを過ぎる

電子の流れない電線で繋がれた
無数の電信柱たちの冷たい皮膚の上を
無数の水の分子で流れる川の上を
ただ、なにも言わずに通り過ぎるのだ

そのときも青白い炎が空気を焼くように
うすら焦げた臭いだけが鼻をつき
数え切れぬ詩人のことばたちは
ただ、ぼうっとアチコチを通り過ぎる

恋い焦がれて立ち尽くす青年は
そのうちのいくつかを拾おうとするだろうか
待つ人は永遠に来ないのが良いのだ
恋する人に与えられることばなどないが良いのだ
ただ、ぼうっと立って通り過ぎられよ

輪郭を想いうかべることすら出来ぬ涯よ
そこに破綻し、破綻しながら生れる
そのなかから、またすべてが生まれ
破滅し、再生し、これも輪廻なのかと疑うものなく
ただ、ぼうっと立って通り過ぎられる涯よ

ただ、ぼうっと立つ傍を
すべては互いにすれ違い、通り過ぎてゆく
あらゆるものとしてのことばたちよ
お前たちは呼びかけを知らぬまま
沈黙を守って死に絶えるが良い
ただ、ぼうっと立つものの傍を
ただ、ぼうっと立つ電信柱たちを
2014-09-20 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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