キメラ、キメラ

生暖かく降る夜を
深海を這う様々な生物のように
漂い続ける私たちの情感は
わずかな餌だけで
生きているように振る舞い
精一杯、愛おしさを招く演出を施し
にぎやかな街灯りの照らす汚れた夜空を
ゆっくりと海面に昇り消えてゆく
仲間の遺骸のように見送っている

微かな波の音は静かすぎて
呼気と吸気の合間にしか聴こえず
それでも天上の音のように響き
互いに相食みながら救いを求めれば
愛おしい伴侶は遠い闇のなかにあって
偶然でだけ遭う営みで生が紡がれ
キメラがキメラを生み続けている

醜さが哀しみを帯びて歩いている深海で
美しさは醜さと同義に変わり
形而上のすべては具象として存在し
その醜さは際立って、際立った哀しみで
どんな思考をもが沈黙を這いまわり
むしろ静かな海草のように
ただ揺蕩うことが出来たならと憾みもし
明けない夜のうちにあって
哀しみすら自らのものに出来ないまま
ただ、より深い深海を目指して
死んだように這い落ちてゆく
私たちの情感が生きることも出来ず
より深い深海を目指して
死んだように這い落ちてゆく
2014-09-23 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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