遠来

旅を奪われた風が街に漂うと
雨の降る橋向こうが、ふいに懐かしく
想い出せない愛しい人がいる気がする
煙る雨足に負けて輪郭を怪しくする
それだけで想い出せない愛があった気がする
書きかけの手紙が煽られても
通り抜けの窓の外にすら出ることがなくて
ただ部屋のなかを逃げ散るだけで
宛てる人よりも大事なもののように見えて
封筒は要らない気がする
肘をついて窓枠に収まる雨を見ていると
懐かしい橋が遠くに見える気がする
夜が永遠に来ないまま
昏い昼を街中だけに吹く風と
壁が煙って見えないくらいの雨と
汚れて外が見えない窓と
想い出に置き忘れられた影と-
うんと遠くに少しの哀しみを与えた気がする
愛した時間が残されていた
そんな気がするまま
永遠に夜は来ない気がしてくる
2014-09-23 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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