ある、一つの微かな情感に似て

どこに哀しみを探せばよいのか
小鳥が忙しく飛び回る健康な早朝
晴天にしかなりようがない空模様
ほがらかな挨拶が交わされる時間帯のなか
車に轢かれた猫さえが擦り寄ってくる

どこに哀しみを探せばよいのか
禁じられた煙草を咎める人は多く
冷たい視線だけが投げつけられるプラットフォームか
あらゆる季節を放擲して産まれることのない嬰児か
我が子を抱いて泣くしかない母親の胸のなかか
幾度も繰り返された光景に飽いた医者のカルテか

どこに哀しみがあるというのか
ただ距離にだけ比例してだけ存在する、それを
こんなにも近くにいる君のなかにさえ
見えない底に微かに消えてゆくというのに
息絶える前に呼吸を止め、キスをしたまま永訣を告げて
霧のように消える君しか知らないというのに

哀しみは、ぼくを捨ててゆく
哀しむための、あらゆる権利を剥奪しながら
哀しみは、どこにもない仕方で遠ざかる
星の光のようにすら遠ざかる
2014-09-24 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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