小さく秋とつぶやく

目にするもの全てが遺言となる
遺言となってしまう岬を旋回して
帆船は入港して街に立っている
過ぎた人、過ぎる人、過ぎるだろう人
揺蕩う時間に翻弄されるだけの人々は振り返らず
帆船は街に立っている
風の遺言を聞いたのは昨日という今日で
もう想い出の涯に近い微かさで
とっくに風も鳴り止もうとしているなか
雨音が風の替わりに路面を遊泳しはじめ
少しだけ立ち止まる人が見えてくる
歩きながら、あるいは走りながら立ち止まる人たちだ
交差点では、きっと夏が過ぎ、春が訪れている
秋と呼びたい春が訪れている
すべてが枯れてゆく晩秋である春が訪れている
遠ざかることだけしか知らない君の背や影のように
秋としか呼べない、ぼくの春が訪れている
すべての遺言を引き受ける季節しかなく
それが秋と呼ぶしかない春なのかは知らないが
枯れるものすべてのなかで泣くことを知らず
訪れるだけで過ぎることのない
秋としか呼べない、ぼくの春が訪れる
そのなかで小さく秋とつぶやく、ぼくの春が訪れる
2014-09-24 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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