なかの、なか

浅くなりつつある眠りのなかか
眠りのなかで更に眠りに就こうとしていた
遠い世界が、本当の永遠の遠さのなかに消えてゆく
そんな眠りの誘いは優しい柔らかさに満ちている
生誕の記憶はないが、この深さに埋もれていたい

目覚めれば遭うことすら出来ない人の影
不毛な愛だけで出来た生活と
読まれずに積まれてゆく本の山
書き続けることすらままならぬ紙片の散乱
哀しみさえ光の速さで遠ざかってゆく

けっして音を消したわけではない波の音が
遥かな記憶のように微かさのなかに微かさを重ね
ただ静かな波だけが波打際を打ち
晩秋の控え目に降る雨のように気づかれない雨を重ね
眠りのなかに眠りを重ね
夢のなかに夢を重ね
目覚めのなかに目覚めて
ただ消えることの出来なかったことだけで生き返る

碧さを遠くに置いて空は夕暮を抱き
なにもなかったように目覚めを抱いて
飽かず、煌めきのなかに街を落としゆき始めている
知らない人から届けられた息災を告げる葉書を手に
心の距離の空しさのように空は夕暮を抱いている
2014-09-25 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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