遠い叙景に

記憶に閉ざされた想い出が
哀しい旋律を連れてくる夜は
哀しみより空しさが似合う

想い出は忘れられゆくために
遠い叙景を描くが
その遠さが忘却を遠ざけるばかりで
哀しみは、むしろ遠さに比例している

閉ざされた想い出なら
健康な皮膚下の傷のように疼くばかりで
想い出せないままの中身が
痛みだけが、消えるように痛み続ける
消えるように消えずに痛み続ける
痛み続ける痛みが愛おしい空しさだけで
いつまでも疼き続けている
2014-09-29 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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