冬の海に向かって歩いて行く

ついに哀しみの不在が横たわり
私たちの別れを導いて
似た道を二本に分けて歩き出すと
二人によく似た犬が先行する

想い出せないお互いを
知らないお互いにするために
二人によく似た犬が先行する

一枚、一枚の枯葉を忘れながら
枯葉だけで出来た街路を
波打際が静かに伸びてゆく

冬の海にしか繋がらない波打際を
一枚、一枚の枯葉を忘れて
哀しみも想い出せないままに
二つの影が並んで歩いている

よく似た二匹の犬を先行させて
別れた二人が仲睦まじげに肩を並べ
時間の定めがない波打際を
それでも冬の海に向かって歩いて行く
2014-09-30 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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