今日を雨が-

もう、壊れてゆくだけの今日を
降る雨など要らないのに、それでも雨は降る
冷たさのなかを風のように通り過ぎ
明日の涙が頬に痕を残したように
ただ一筋の川を海まで運ぶというのか

雨音のなかで雨音を消しながら走り抜ける車のなかに
静かな鳥のような霧が立ち込めると
すべてのガラスに鏡面が立ち現れ
虚偽と真実とが美しい万華鏡を交互に演出し
雨の一粒すらガラスに変わってゆく
むしろ川面を打つ小虫に誘われた魚影のように
静かな激しさで打つべき誰かを待つというのか

立ちかえる、幾度も立ちかえらされる雨に
今日は飽いているというのに
どれだけ言葉を消し去ろうとも
どれだけの愛を消し去ろうとも
やはり今日を雨が降り
君のいない時間を雨音が埋めてゆきながら
明日のない今日は、やはり雨が降る
壊れゆくだけの今日を、やはり雨が降る
2014-10-01 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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