無言の鳥は伝言を伝えるか

哀しみを忘れて今はもう
降り止むことも忘れて雨は降り続けている
静けさを美徳として波は海を棄てている
海が波を忘れて別れていったように
海を棄てている波を舞いなびく木々の梢には
季節違いの鳥が訪れていて
訪れない季節の雲に狙いを定めている
君の問うた愛が、ついには訪れず
いつまでも真剣に開き続ける瞳が
ぼくを鋭く射抜くように
哀しみは愛と同義になり得るのか
寂しい定義の遊戯が、幸いなのか
二つのコーヒーカップを往来する午後
恋人は愛し合う、はるか遠くに肩を並べ
波のない海を見つめながら
海を棄てた波に打たれている
一方向からだけ訪れる愛を求めるように
降り止むことも忘れた雨が降り続けていて
別々の雨に打たれながら恋人たちは
はるか遠くに肩を並べ
無言の鳥が運ぶ伝言に愛を託したまま
一瞬のなかに訪れる永遠を待ち続けている
二つのカップは重ねられて棄てられたが
それでも過ぎるはずの季節のなかを通り過ぎている
回帰のない環礁を巡るように
二人の海が、どこまでも二つの海を押し広げている
2014-10-02 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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