その透明さは不透明さです

支流が集って川が流れ
しかし川のなかに支流は保たれ
低地を目指す原理だけが川となった

川は、どんな色の空さえも映さず、しかし
きっと透明なのだが川面の反射は淡くて弱くて
どの流れも同じに見えるだけなのだと想う

風に吹かれる梢は高く揺れ
少しの寂しさにすら落葉してゆく一枚一枚を
さらに空の蒼さが比喩のように落としながら
季節は静かに過ぎながら、次の季節は遠過ぎる

恋人は橋の上から川を眺め
流れる鮮やかな緑の落葉を数えながら
隣に立つ、もう一人の恋人を待っている
もう一人の恋人がするのと同じように

遠くの鐘が鳴り響いたのは
幾つ前の季節、幾つ前の風が吹いたときだったか
そのときも支流の流れは交わりもせず
川を形づくる原理だけが不変を示す哀しみは
そっと遠くで雨に降る

振り向かないまま隣り合う恋人から遠く
山向こうで静かに雨が降っている
あらゆる色を消し込んでしまう雨が支流のように
透明の色のなかを降ってくる
2014-10-05 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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