ことばを託し

空…の、ように見える秋には瞼を閉じながら
改行を延々と繰り返し、ことばは置かず
無為の風のなかに季節を消すと
君の声が耳内奥深くに沈んでゆく
海を忘れた平らかな波のような奥深く

その声を頼りに泣いている
君の不在を言い訳に、雨のようば涙と泣いている
秋を飛ぶ鳥の影のように鳴き声を潜めながら
遠くから、あるいは近くから消えてゆく鳥のように

ビル街を歩くいくつかの影と川になって
秋は哀しみを棄てながら訪れてくる
ことばを持たない、いつもの秋のように

繰り返される改行だけを頼りに
君を愛することを遠ざけながら
空のように見える秋と、秋のように見える君

君への愛を遠ざけることだけで
残された改行のなかには、ことばを託し
鳥の飛跡が秋のように見える空を飛んでゆく
2014-10-07 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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