透明な視線

きっと君は、いつも木枯しに吹かれていて
夏の海にいてさえ寒さに耐えている
砂浜には波に消える詩が
幾度でも君を慰めに訪れるだろうし
鳥は影を落とさないように遠くを飛ぶだろう
空より遠くをさえ飛ぶかもしれない

そのとき、ぼくは君の隣にいるのだろう
なにも出来ない手を
水を掻くように宙に泳がせながら
あたかも哀しい花が優しい風に揺れるように
ぼくの手は空しく泳ぎ続ける
振幅し続ける

その振幅のリズムからさえ
君に向かって木枯しが吹くに違いない
空より遠い鳥の羽ばたき一つからさえも
こごえる風が吹いて来るに違いない

次第に無言になる世界のなかで
世界は君の鼓動に耳を澄ませるだろう
君が流さないで堪えた分の涙を流しながら
世界が君の鼓動に耳を澄ませるのだ

君は完全な孤独を手にして初めて
そっと微笑んで泣き始める
ぼくたちが始めて出遭ったときのように

そして微笑みに似た泣き顔で君は
それでも木枯しのなかに瞳を凝らし続けている
透明な視線をどこまでも
どこまでも遠くへ届けているのだろう
2014-10-08 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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