白い夜の雲

波もない、風も絶えた
雨は降っていないし
月も星も光らない

都会の曇天はネオンを反射した
不気味に白い雲の覆いを背負照っている
君の気配を消して、ぼくは一人
何もない窓の外を聴いている

閉じたままの瞳の奥で
懐かしさに帰った季節が残響する
跳ねる水、耳をかすめる風
ふいに激しく打ちつけるスコール
そして夜空を拡げて光る月と星と

ぼくは少しだけ君に囁き
君は黙ったまま遠くまで闇を見通している
いくつかの想いは共有されたかもしれない
その可能性だけに満足して
二人の眠りは蒼いまま訪れた

さあ、もう季節を喪う季節となった
ぼくたちは別れた道を覚えている
なにもない、どこにでもある舗装路を

喪うことは忘れることか
窓外には、変わらず何もない
白い夜の雲が、少しだけ西に向かったようだ
2014-10-08 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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