汀には秘密

降り抜けた雨の跡で君は一人、汀を求めている

夕暮は前にも後ろにもなく
いくつかの夜の訪れが過去と未来とを直線で結び
雨線は傍線で描かれた

その滑らかな流線の背中に流れる髪を
決して風に吹かれることのない髪を愛し
君には見えない夕陽に照らして見るのは
密やかで残酷な楽しみだったのかもしれない

私たちの視線は交錯することを拒否したが
視線の交錯を拒否した時から始まった恋のように
私のなかを一つの雨が降り続けている

汀から遠く、私のなかを一つの雨が降り
君は一人、雨の跡に汀を求めている
遠くと呼ばれ得ない遠くには波の音

君には届かない波音が私たちの間を駆け抜け
時間に追われないように
あらゆる間隙を喪った街のなかに消えていった

汀には、私の秘密が少しだけ隠されていて、私は
もはや君のものではない君の影の行方を
所在なく探し始めようとしていた
2014-10-09 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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