昼と夜の間で私を探す

青い空の裂け目から死人が通り過ぎる視線を投げかけるように見ているあなたには見覚えがあって、幾度も鏡の向こうに立っていた私である。どこまでも深い空に一つの死を見ながら私は青い空を見上げていて、なんとも呆気ない最期だな、と想うのだ。枯木に引っ掛かって微風に揺れている鮮やかな緑の、一枚の葉のように、私は空に引っ掛かっている。

もう一日と、そう想ったのは昨日か、一昨日か。幾度も繰り返したので想い出すまでもない、いつでも、もう一日くらいはと想っているのだから。温かい湯に広げた手を沈め、飽いた手で拭う涙は、やはりどこか潮の味に似ていて知らない異国の知らない人のもののようだ。

クスンとくしゃみをして何ごともなかったように散歩を続ける犬を素通りして、温湯に沈めた手が少しづつ冷めていくのを感じながら、もう一人の私を探している。どこにもいない君を探すよりも、もっと見つからない気がしたときに見上げる空は、もう青さを喪い始めていて、むしろ血に似ることのない夕暮色に染まり始めていた。
2014-10-11 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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