青と白(そして蒼と消去された碧)

飛行船の優雅な飛行に乗って、ゆっくりと訪れた秋が空を舞っている。静かな乱気流、穏やかなつむじ風、激しい陽だまりに潜む優しい面立ちの影、季節の再誕と死を彩る諸々の事象と事情は気候によって語られた。短く難解な詩句が読まれる前に鳥の飛跡を追って通り過ぎると、残された立ち止まりのなかで一つの時間が消えようとする。

「雲の裏側を想い出すように読み解かれる謎のような、パズルのような」
と独りごちながら大きな目玉をアチコチに向けているヤドカリが荒い砂を超えている砂浜を顕微鏡で見るように間近に見ている。哀しみに似たように降る雨に似た哀しみが、霞んだ島に静かに訪れると、接岸の音はモノクロームに近い青と白の色に変わる。そこから世界が青く、白く開けていた。

君の待っていた青と白で見える世界を、その青さの深さで導き入れながら、再度、世界は賑やかさを取戻し、日常という日常を再開するけれど、一度、目にしたのなら忘れない。
どこまでも深く、どこまでも浅く、青と白だけで描かれる世界図を。忘れた夏さえ蘇る、青と白の冷たさと優しさに満ちた不透明さを降る雨を。君だけが乗り込んだ蒼く勇壮な飛行船を。
2014-10-11 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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