九月の石

正体の知れない夜のような夢だった。
むしろ、なんの変哲もない、より当たり前の日常こそが錆びたままに刃を鋭くし、切り刻むものとなったのだ。あなたが、だれもが青臭い生臭さと切り捨てる「ただ、それだけのこと」なのかもしれない。いや、それであれば私もキザな苦笑いの一つでも流し目に合わせて贈っただろう。しかし違うのだ、それは。
激しく鼓動する心臓が、そのままに切り刻まれるのを、鼓動そのものを切り刻まれるのを想い出してみるがよい。それこそが、私たちの日常のもたらす、最も基本の、ある種の、要素…そう、日常の要素。幸せと、まったく等量の不幸が笑うほど陳腐に、律儀に訪れてくるように、日常は-
もはや鈍感さに賭けるしかないのだ。目をつむり、耳を閉じ、「なにもなかった、なにも起きなかった」と、口を閉ざすしか。
ああ、九月の石が八月の石のように光っている。狂った軌跡しか辿れない光を、九月の石が追いかけ続けている。
2014-10-14 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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