溶解する解法

冷たい風が通り過ぎたので、風を凍らせて、風を融かした。
解けない風だけを融かそうとしていた。

詩法のいくつかを問いながら探した時間を壁が引き裂いている。
風が冷たい理由を、君が知っている。
君を探さずに風を凍らせて、融かし続けている。

空を突き刺す視線を跳ね返され、想い出す窓ガラスは
数え切れない街を築く礎の一つ二つに過ぎないが、
そこにも風は吹いている。冷たさを知らず、温かさからは
きっと遠く、一つの虚無として詩語が、枯葉に混じり舞う。
(愛を、語ろうじゃないか)

ぼくの好きな詩集が解体され、崩落したビルの合間を埋めてゆく。
ビルの崩落と崩落の間を一つの詩となりながら(あるいは凋落)、
詩集を解体して、ぼくはぼくを泣き、詩集を忘れる。
街路を囲む青い街路樹、そこには君が立っている。風の、
冷たい理由を携えながら、だれに渡すか迷い、
謎めいた笑みを湛えて泣き崩れる。

鳥を、飛ばすだろうと想う。
決して飛ばない彫像の鳥を、灰色に染めて。
煤煙を擦りつけて君は、もっと笑うだろう、この頬を。
温かい季節の風が吹くのだ、温かい、温かい、

さあ、泣くのはおやめ

ぼくは俺として微かに呟く。
俺の近くで泣かないでくれ、と膝から崩れ、仮面を取り、
一つの解放を解法に与えて、しかし風を忘れて。

俺は風を拒絶する。
坂の上から見渡す荒涼たる荒地を君には見せまいとして、
あらゆる風を、しかし温かな風だけを赦し、俺は
風を拒絶する。
2014-11-07 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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