夏の星座

向かい合うやさしさが一つきりの風となり
冷たい冬の風となり、夏の海を渡り切れず
追い越してゆく渡り鳥を溺死した海で見送り
向かい合ったやさしさを忘れて、過去を捨てて
改めて向かい合うやさしさとやさしさと
-それは満員電車の顔知らぬおしくら饅頭に似ているね
そう囁いた人を遠く坂向こうに消えてゆくのを見送り
-ああ、冬だね、うん、冬だよ
-気づいたかな、あの人は?
 夏のときの半袖のままで

青くはならないままの空が降る街のなかで
美しいメタリックブルーの車が疾走してはいるけれど
隣接する地下鉄が、負けじと街路樹を疾駆し
その狭間で向かい合うやさしさとやさしさと
冷たい風が吹いている、冬の風ではない冷たい風が

-死ぬことなんて簡単なんだよ
-当たり前のことを言うね

不透明さを増してゆく冬のオリオン座までの距離を
真空の光が滑走しながら雪は光るだろう
やさしさが向かい合う間を抜けることが当面の目標で
そこに愛はないから、透明さは罪だから

-夏の星座は要らないかい?

夏の星座は、要らないのかい?

冬の昼間にだけ見える、夏の星座は、

要らないのかい?
2014-11-19 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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