秋雨の降る音のうち、そこで立つ

ゆるやかな雨にさえ溶けぬのなら、
もう、どうして柔らかに包んでゆけるのだろう
早過ぎる朝の通り過ぎのなかに消えてゆく
どんな背中の小ささも、かすかさも
遅すぎる夜の通り過ぎのなかに消えてゆく
どんな面影の懐かしさも、愚かしさも

千の朝には千の夜さえ、
あまりに少な過ぎると聞いたはずの冷たい浜辺で
どんな波も打ち寄せることのない汀で
洗われたはずの足首は海の深さを測るばかりで
ただ穢れては海を弾き、波を捨て
それでも駆け寄ることを知らないままで
ゆるやかな朝のなか、その傾きのなか
すっと立ち尽くしたままに、
どうして私を迎えるというのだろう

もう木枯しの吹くままに折れてゆく枯枝のままに
いく本かの枝が折れるようで、幾千もの葉が刃のようで
私たちのあいだ、
私たちそのものである愛や
私たちの朝と夜、そして昼だって引き裂いてゆくだろう
私たちには、
どんなにゆるやかな雨さえ、もはや
許されてはいない
2014-11-23 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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