ひとつのぼくたちとして

向き合う湖面と湖面
その間で幾重にも折り畳まれた雨
静かに通り過ぎるはずの微かな風

ぼくたちは寄り添うだろう
出航時間を永遠の先に設定した船に
乗船し続ける船の客の列に
遠過ぎて見えない夕焼の光景に
そこで愛し合う二人の影に

そして、ぼくたちは寄り添いから離れ
そっと荒波を沈めた海に瞳を預ける

預託された、あらゆる善意
実現から遠ざけられた、あらゆるやさしさ
ひとがひととしてなし得るだろう、
あらゆるうつくしさを
ぼくたちは一つの景観として
ある、一つのすぎゆく季節として
かなしみさえ携えて
そっと風に吹かれようとする
その情緒をあずける貝を探す、砂浜の
かわいた哀しみを知る

季節を渡る虹のように光を受けながら
季節のなかで夢見る少女、そして少年として
永続する到来のなかにかわいた哀しみを
そっと静かに遠い星の上に並べ
ぼくたちは見えない夜空にさえ向き合うだろう

一つの向き合う湖面と湖面
ぼくたちは、その間で風にさえなる
幾重にも折り畳まれた雨のように
かすかな風に預けられた歌のように

ぼくたちは見えない夜空にさえ
むきだしたっただろう

けっして想い出されることのない夜空にさえ、ぼくたちは
むきだしだったのだろうと今ならば
わかってよいはずだったのだ
2014-11-26 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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