この、一点から拡がろうとも、拡がるとも

窓をすり抜ける雲の流れを追いかけながら
いくつかの鳥の影が冷たくならないままの路面を飛んで冬
その、いくつか前に訪れるはずだった冬と冬と

幾人もの透過した家族が居座る炬燵を通り抜けた果てで出遭う
荒れる波濤を、さらに荒れさせてゆくだけの海

それがかなしみなら一つの崖を与えて
身を投げるはずだった詩人だって、そこまで訪れては踵を返し
もう詩碑のなかに眠っているだろう

ジェット機の冷たい飛行機雲が雲に飲み込まれてゆく
曇天のしたで散ることも出来ない枯葉が風を伴わずに揺れ
地球の裏側を轟く地震を想い出す

-コチラ、地球の裏側です

滑稽な調子で応えてくれるかい?
笑いたくなくなるほど滑稽な調子でさ
もう、窓をすり抜ける雲なんてないことには気づいたから
君の喪おうとする窓、坂、すべての海、ぼくの与えようとする略奪
(もう、いい加減に面倒なんだ、この手の列挙には)

-私の周囲、1キロ円周のなかには
 きっと何もなくなっている-

そんなことを言いたくなっている私も、
しかし決して独りにはなれないようだった
季節の外側からさえ失った君の声が聴こえてくるし
終わった季節のなかからさえ君の笑顔が想い出されるし

乾いてゆく、乾いてゆく…多分、ただ、乾いてゆく

もう一度、ぼくときみとが出遭うまで
私は乾き続けて微かな風に揺られているのだ

透かし過ぎる家並を通り過ぎながら
地平線が沈んでゆく太陽が、今こそまさに、
どんよりと光ろうとしているのが見える

(ある種の一つの妄想としての太陽こそが)
地平線の沈みゆく太陽こそが、どんよりと光り始めれば、
今の私の、たった一つの真実とされるに違いない
(もし必要とされるのならば、だが)
2014-11-27 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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