捉えられた君の始まり

いつも鏡によって開かれるのは、ついに無限のゼロの、
だれのものでもない光の狂乱だが、同時にまた
所有者を持たない無限個の世界が、そこにはある。

君の歩みを嗤う力だけを保ちながら、
ようやく歩いているように見える樹影さえそうなのだが
果たして愛に想いを馳せて語ろうとする君よ、
(ある一つの嘆きの残照として、あるいは光るだろうか)

遠さについて語るまいとしても語らねばならないだろうか、
鏡において開かれる無限のゼロと、
さらに以って押し広げられる無限の負の領域を

ある種の透明さだけが持ち得る不透明さを見出す
負の涯へと誘う怪しく歪んだ歌の光は
力なく起き上ったベッドからの視野を覆い尽くすだろうし、
窓の外から押し寄せる樹皮のおぞましさは
多くの安堵を与えるだろうが

それでも最後の一瞬、君は鏡を覗き込んでしまうのだろう。

多くの身支度を手早く済ませ、
置きざりにすべきもの、持ち出すもの、忘れたもの、
それらすべての分別を聡明な手際でこなしながらも、その後、
ただ一瞬によって君は、鏡を覗いてしまうのだ。

君の今日をまた、
失敗した、その一瞬からだけ始めるように。
そして実際、その一瞬からしか始まらないように。
2014-12-06 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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