曖昧な輪郭を愛しながら、憎みながら

冷たい光を吸いこみながら森は静かな死を考えている

もう、そこに存在することさえ忘れられたとき森は
空に覆われて静かな死を、涯ない哀しみとして
あるいは重心を与えられた無機物として迎えるのだろうかと
生誕の泉を涸らし、なおも涙さえ湛えた小池も忘れして

畔に立つ女の髪は長く、そして永らく、永遠に近く
風に揺られながら問いかけていた

慰安を与える術を拒絶しながら空に屹立してゆくものたち
一滴の涙の重さにさえ耐え切れずに地に伏してゆくものたち
(地鳴りを遠く/近くに、耳鳴りを近く/遠く…)

<教会>こそがすべてである世界の真ん中に立つ樹ならば、きっと
そうは遠くないはずなのだが…だからこその
この<救いのなさ>が心地良い風を吹かせている

風は心地良く吹いてゆく
近くから遠のいてゆく鐘の音のよう
(女を抱きながら、抱き寄せながら)

冷たい光を吐き出すとき、そこに森はなく
ただ一人の女の髪がなびいた記憶が吹きぬける
切り取られては捨てられるだけの季節の幾片かが
戻るべき空を喪ったまま、彷徨う先を求めるだろう

森に捧げられる思案が森を死滅させたのは、
死滅した森こそが静かな死を考え続けていたからだった
冷たい光を、吸いこんだからだった
2014-12-07 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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