四季なき海の、遠い季節を預ければ

追いきれぬ落日は乾いた海の波が追い
星は砂の間に光を喪い堕ちて
波のまにまに照る月も知らず、波音も知らず

枯木に咲き融ける雪の賑わいに目覚める春は
夏よりも遠く冬の手前で秋となり、見つめる
鏡のなかでだけ踊るカラクリ人形に
おどけた思考は眠り、思想は眠り、
深夜を超えて途絶えぬ足音なら、蒼き猫の影が追い

遠くまで響く鐘の音の死に絶えるところで出遭う、
一つだけに…無にさえなりゆく哀しみを拾い、
すべての要求を退けて陽は沈んだか
昇る中天だけは残されたか、遠吠えを奪われた狼よ

想い出せる限りの記憶の虚無を波に合わせよ
その踊るだけの骨カラクリを足音に合わせよ

隣に眠る電車を起こせよ
朝が来るように街を起こせよ
理解しえぬ海の乾きをこそ、想い起せよ

そして、だれもが起きえぬ朝にだけ
凪ぎる海をどこまでも遠くに沈む夕陽を見つめ
影の長さに怯えながら一人、時計の音を聞き分けて
きっと一粒の砂が歌う
乾いた海の唄を、歌い続ける

星の閉じた瞳の内に届くまで
星の閉じた瞳の奥深く
歌われぬ唄が、届くまで
四季なき海の、遠い季節を預けたままに
2014-12-09 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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