檸檬水の時

搾りたての檸檬を一滴、純水に落とす
檸檬果汁は檸檬果汁そのものではなくなり、純水は純水そのものでなくなる
檸檬水は、きっとそうやって作ることが出来る
檸檬果汁だけでは口に酸い過ぎ、純粋だけでは味気ない
檸檬水だから口に馴染んで清涼に喉を過ぎていく
水は記憶を持ってはいないが過去を抱えて訪れる
遠い昔は、いつまでも遠い昔には誰知らぬ岩中をほんの少しづつ
動いてさえいない速さで過去を抱え
やがては集って仲間と記憶を共にし
それら一切の記憶を消し去るように純水に仕立て上げられるが
しかし無限少の1がある限り、水は過去を失ってはいない
一つ一つと過去を剥ぎ取られ残る過去がたった一つしかなくなったとしても
その最後の一つを剥ぎ取ったとしても水の過去は失われない
遠くの鐘の音が耳を跨ぎ過ぎても鐘の音は生き続ける
遠くの星が壊れ際に放った最後の光は生き続ける
未来のない今に過去を背負って生き続ける
未来は明日ではなく、永遠の今で、過去で
過去は昨日ではなく、永遠の今で、未来で
今、と想った時には今も消え時間軸も消え
私は重さを無限に剥ぎ取られて私に戻っていく
きっと戻りたくはない私に戻っていく
剥ぎ取られた過去と永遠に来ない未来と失われた今を抱えて
戻りたくないことすら忘れているのだ
行きたくないことすら忘れているのだ
無力な神として生きるための儀式が誰も何も避けることが出来ない仕組みとして
新たな過去を、未来を、今を
与えるということは残酷な仕打ちなのだろうか
無限少に散りながら
私を失い
2006-08-28 11:48 : 落陽 : コメント : 6 : トラックバック : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

おじゃまします
この頃のまっくさんはナンダカ違います。気持ちが束になってウネウネと這いつつこちらに向かってきます。行ってしまうものに残されて、涙をこらえて見送り、立ちつくしているかのような風景が、たびたび見受けられるのですが、気のせいでしょうか…。本も、たくさん読まれている感じが伝わってきました♪
2006-08-28 12:36 : itu:kairou URL : 編集
「ウネウネ」ですか(笑)?
回廊さん、こんにちは♪ コメント、嬉しいです(^^)
書いてる時のペースというか気分(???)というかは変わらないんですがR天の完全放置状態でリリースされた感じはあるかもです(爆)。「行って(逝って)しまうもの」は幼児からズッと感じてるので自然に出るのかもしれません。これこそが伝え聞くト・・・トラ馬?!本は一作品ごと丁寧に読んでますが山積みになっております(滝涙)。セリーヌとかも読みたいんですが、まだまだ遠いです(^^;
p.s.
今日は「万延元年のフットボール」を捜索するも見つからず、失意のままに文芸春秋を手にして虚無感に襲われ、これから「八月の光」を読みます(爆)。
2006-08-28 14:56 : まっく URL : 編集
水。
こんにちは、rie。です。
先日はコメントありがとうございました。

今、過去、現在。
水面に水滴がぽちゃ、と音をたてて、
そんなものがするすると底に落ちていくような感じがしました。
留める事なく、どこかにいってしまうものたちと
残される過去の自分と。
そんなものを考えました。
夜はもう、すずしいですね。
リンクを張らせていただきました。事後報告ですみません。
どうぞよろしくです。
2006-08-30 00:40 : rie。 URL : 編集
こんばんは(^^)
rie。さま、ようこそ&コメント大感謝です。
rie。さんのコメント自体が詩の一節みたいです。
コメントは、いつも書きながら分けが分からなくなっている私には嬉しいです(汗)。

我が家の娘'sは、暑がりなので、未だに夜中に唸っています(^^;
リンク、有難う御座います。私も頂戴しようと想っておりました。
こちらこそ、よろしくで御座いますm(_ _)m
2006-08-30 02:31 : まっく URL : 編集
まっくさん、こんにちは。
はじめまして、衣良です。
Mさんが「コメントすればいいのに」とか言うので、
(弁解の)コメントしにきました。

私はただ、彼に
「まっくさんの『檸檬水の時』は、Mさんがモチーフになってるように読めるけど、コメントつけないの?」
と訊いただけなんですよ。

大体、Mさんのブログにも書き込んでないのに、彼が私のメールを勝手に一部転載するのです。
私信なのに、勝手にオープンにされて、んでもって、「非生産的」とかケチつけられて、
江戸の敵を長崎で討たれるような気分です。


 
2006-09-06 16:01 : 衣良 URL : 編集
こんにちは(^^)
衣良さま、はじめまして&コメント大感謝です。

「檸檬水の時」のネタ(?)ですが・・・PCを開いたときに口にした檸檬水でして(^^; 書いているうちに長くなってしまったのですが何を書いているのかは謎です。
でも、Mさんには、いつも啓発・触発されてますので衣良さんのご感想も嬉しいです。読み直すと、確かにモチーフ像にMさんが浮かんで来る気がします。

以前、「男は苛めることで子供に戻り、叱られることで愛を確認する生き物である。」と聞いたことがあります。さすればMさんは、長崎で熱烈ラブ・レターを書いているものと想われます。
そして男同士の友情は常に女性によって・・・

p.s.
コメント、有難う御座いました。
これからも宜しくお願い致しますm(_ _)m
2006-09-06 18:26 : まっく URL : 編集
« next  ホーム  prev »

拝啓




Author mak From "空白"

想一葉、兼訪問帳

星々の冷却(書肆侃侃房)
渓谷0年(オンライン版)
Both by mさん

【 無意味という意味 】
すこしの風を追いかけて
【 短文 】
大海にも降る一滴
2015.07.17.

For Admin

落書内検索

月毎落書

一言お報せ

リンクは勝手に頂戴、削除してます
ご迷惑な場合は、ご一報下さい



メール・チェックは非常に稀です


BlogPeople

出現するかもエリア-転記候補