いのち

二本、三本と煙草が増え
吸い殻入れが満ちてゆく-

そこに小数点はあるのだろうかと
いくらかは微分された哀しみをさしはさみ
そこに分数ならあるのだろうかと
切り分けられたリンゴの哀しみをさしはさみ

曇天の遠くを立つ樹は寂しさを燃やしている

冷たい季節から遥かを眺めながら
少女の軽やかなスキップと
街の吹き溜まりで横たえる身を持たない
老いきった一人の男の歴史と

並べるもの、並行するもの…
地平はゆくまい
水平線なら、なおのこと

ことばを喪ったまま
渡鳥が越えてゆく山稜の
その微かな線にさえ触れる空のした
君の足跡だけが残るように記憶は捏造され
一陣の風のように消えてゆく命があるだろう

最後の煙草を流星のように吸い終わり
光輝のうちに溶けこんでゆく
そんな無一物の命が、きっとあるだろう
2014-12-16 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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