荒岩

磯の荒い岩を洗う波など見たことがないのに、
こうしてありありと想い浮かべることが出来るのは
きっと、どこかで写真でも見たからだろう…しかし、
その写真の視点さえ、機械的なものでなければ
私も見ることが出来たはずなのに、
私には、その波を見たという記憶が、むしろ資格がない

おもむろに吹き抜ける風の、その先につむじ風が巻き、
一つの記憶を魔法のように消してしまう
公園では、いつもそんな風に封印されて私は
ただ置き忘れられた置物のように
冷たい涙も持たず、描かれた涙の筋だけを浮かべ
もう何も想い浮かべまい

夜にさえ夜を迎えた記憶がなく
今の昼を昼とする力とてなく
せめて静かに息絶えるようにと願ったとしても
ゼィゼィと醜い息ばかりが響き渡るばかりだ
それでも愛した人はいたろうに
それでも恋したこともあるだろうに
今でも沈黙したまま、波は荒岩を洗っている
2014-12-22 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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