美術館にて

照らすものを失った無数のローソクの炎が
黒闇の中に、それでも尚、不明瞭な輪郭を漂わせ
(どうしてローソクだと分かるのだ?)
全ての光を飲み込んで闇は生まれ、
微かな光さえ闇を膨張させるだけで
暗窟の中で眼を失い
闇は音を奪ってはいないが
ローソクの芯が焼ける音は産毛をすり抜けて
全身の感覚が全身に集中して、ようやく
自分のものでない微かな自分の重みを取り戻し
任せることによってのみ得られる重みが
任せるがゆえに動けない私を縛り
縛られた私達はぶつからないままに呼び合い叫び合いして
後ろ向きでいることすら気付かないままに
紙に貼り付けられた炎は揺れもせず照らしもせず
それでも炎と私達は信じて
ローソクを書き足す
深夜の絵画は黒絵具だけが盛り上がり
闇を育てようと
色に関わらぬ絵具全てが
闇を育てられると盛り上がり
無残な陽の下の姿を想い想いに描き
書き足すローソクは
いつまでも足ることがない
2006-08-29 02:13 : 落陽 : コメント : 2 : トラックバック : 0 :
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美術館
美術館の詩のようなものを書いた覚えがあります。
鬱の酷い時で、窓から見る景色がまるで絵画の様に目に移り
それを鑑賞しているような気分になっていたのですが。
それとはもちろん全く違う暗闇の美術館。
暗闇の中では絵の存在はただの額縁に塗りこめられた何かなのでしょうが、
暗闇に自分を置いて何を見つめようとしているのだろう。求めているのだろうか。
いつも暗闇は私のすぐ側にある。光の中に身を置いていても闇はひっそりと私を見ている。
それと真逆な感じがしました。
2006-08-29 12:11 : ajisai URL : 編集
な、なるほど!
ajisaiさん、こんにちは(^^)

>それと真逆な感じがしました。
コメントを頂戴して再読して「なるほど!」でした(苦笑)。そういう風にも読めますね(←自分で何を書いてるのか分かってない人)。
自分で読んでも「何を書いてるんだ?こいつ??」としか想えないので・・・(^^;
有難う御座います。
2006-08-29 12:35 : まっく URL : 編集
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拝啓




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