石の虹

透明なガラス戸を引いて雨戸を閉める
少しの世界だけは見えるように

屋根に光る低い雲が地平線からやってきて水平線へと消えてゆく
タイヤの音、エンジンの音…を抑えた車が静かに人影を轢いてゆく

忙しい改札口の行き違いをすり抜け息を荒げ
きみが走り続けるのを一つのアングルから見守ると海は遠い
波のように散り終った枯葉の上
私の足音が無音を踏んできみを追う

永遠について語らない一つの石
私たちの、二人のすべての愛が注がれる石だ
それを投げるのは海ではイヤだ
私たちは一緒に湖に、その石を放る

今日もきみに逢うことはない
世界の意思が私たちの出逢いを拒絶する
私はきみに出遭う意志を投げ捨てた

想い出すのは一つの灯火、青い灯火
異国の色で輝く二人の部屋を作り上げ
一夜をまたぐことなく消えてしまった灯火

私は、すべての戸を閉めたまま外に出る
荒海の音が近い、きみの足音も近づいてくる
どこかでだれも聞かない虹の鐘が鳴る
ガラスの虹の、鐘がなる
2015-01-02 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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