夜想

煙草を喫って酒を呑んで、酒を呑んで煙草を喫って
目眩するなかでひとつの思考(に似たもの)が
なにかを目指して はいずりはいずり

涙する暇のない、退く先のない今を受け止めるのは
やさしい過去であり、やさしい未来であった

ことばは機械の部品のように正確に、正しく作動し
どんな私も受け止めてくれていたし
哀しみさえ、いつもと同じように私を訪れた

しらぬ夕暮が連れてきた寒気のなかで私はひとり
こんなにも豊かな、ひとりを抱きしめて
その日はくるに違いないが、酷く遠く感じるのが懐かしい

私のまえを飛び抜けるやさしいい木立
清冽なことばはツバメのようにひるがえり
私の飛べない空を自由に飛んでいる
私の飛ばない空さえ自由に飛んで

私は一服の煙草に酩酊し
すべての哀しみを託そうと酩酊し
遠い過去のように未来を見つめ
思考しない思考というのを、そっと抱き
懐かしい機械の音だけしか聴こえない

酷く遠い、酷く遠い
私の知るはずの私は、こんなにも遠いのか
私の夜をひとつのツバメが切り裂いて

切り裂かれた夜を私は受け止めることが出来ない
私に残された夜は訪れない
2015-01-03 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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