微かな湖畔、ようやく二つの坂道となり、坂は雨

浅く表土を雨が通りすぎ、眠るあなたなら雨は届かない
記憶から記憶へと渡り続ける駅舎の陽光は虹へと消え
開封し忘れた手紙をだきながら横たわる少女に手渡される微かな湖畔

坂を越えてだけ聴こえるはずの海の産声さえ聴かず
ただ遥かさをうねる波ならばひとつだけを愛し
雨から雨へと映る季節の極限ならば
蒼い砂浜を逍遥したまま坂を越えられない

密閉されゆく哀しみから洩れる白い炎を頼りに方位を定め
月の昇りを待ちながら朝露が雫を結び
永遠の地上を目指して落ちようとする、想い出の坂道

届かない、届かない、届くけれど届かない…

愛するならば愛さないように届くならば、届かない
あなたが伸ばす指先が冷たさを知りつくし
雨さえ降れば、通りすぎるけれど届かない

風が転がるなら、そこは坂
決して降らない雨を二人で許し合う、
立ち止まりしか愛さない、
風が転がり続ける、そこは坂

海の産声なら季節を知りつつ眠り続け
禁じられた炎を信じる明日を、昨日に生きよ

ついに斜面を持たずに光り
涙が下ることを知らない坂道ならば
哀しみから永遠に遠い今日を
光を知らぬ駅舎のように、ついに開かれ得ぬ手紙のように
その少女を、その虹を、その廃屋を燃やして、
ついには生きよ、微かな湖畔
2015-01-04 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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