ある夜の紙片をポケットに

奪われるものだけが与えられるに値する-

ポケットのなかには、そう書かれた紙片が入っていて
夜が、影の奪ってゆく光のなかにだけ立っていた
口当たりの良い温度にコーヒーが冷めるまで

煙草を吸う時間は、いつも正確だったので私たちは
別々に煙草に火を点け沈黙を探していた

その名札さえ取ってしまえば…
と想いながら彼の話に耳を傾け
「飲みすぎないでね」
と言われたコーヒーを飲み終える頃には、もう
煙草は吸い終わっていた

<契約>という冷たい文字を目にして
懐かしみ、そして哀しんだ
あげ放っしの便座は冷たそうで座る気にもならず
放尿しながらどうしたものかと考えてもいたようだ

もう一度は考える気にもならない
奪われるものだけが与えられるに値する-
そう呟いて、時間を失ったままの夜を憾んだ
もう朝になる時間で、朝が近すぎた
それだけで、十分すぎた
2015-01-10 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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