雨、雨に住まう

遠くまでけぶるように季節が降り
立ち去ることを許されない一つの虚像を
それでも泣きながら追いすがり
指先の一つすら遥かに届かない枯葉よ

喪われた、引き継がれた命の希望を
信じることなく、風に舞うことなく
もう一度、枯枝にさえ揺れようとする、枯葉よ

雨に住まう木は枯れ続けている
深き谷の底、高く若き木々に囲まれ
今も伸び続ける蔦と根とに
命の潤いを奪われ続けている

遠い、遠いと同じ季節を追いかけながら
あの枯葉を一顧だにすることなく
しかし同じ季節は違う季節、
あの日の季節と、来たるだろう季節
過去と未来に引き裂かれた
それは同じ、違う季節

同じで違う季節が遠くまでけぶるように交じり合い
沈黙のなかに、重力の沈黙のなかに
立つ枯木、散った枯葉、見つめる視線
ただ一つ、視線だけが季節を逃れ、谷を逃れ
季節の外を吹雪くばかりの山頂を見上げ
しずかに永遠の闇のなかに消えてゆく
2015-01-12 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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