どこかの囁き

見開きが本当である海を出てしまって今
私が七秒進んで七秒後退します
穏やかな波だろうと、荒くれる波だろうと

閉じられてしまう前の海を出てしまって今
七秒進んで虹に手を掛け
七秒後退して重力を手にして
(想い出す一冊の本は閉じられる)
哀しみは波の彼方に
虚しさは水平線の月に
砂浜に体育座りして光るあなたを残し

遠くで枯れた枝を覚えていますか
この海の向こう、太陽の沈む場所
そこで枯れた一本の枝と一葉の枯葉と
無数の枝や無数の葉っぱや
花摘む少女の冷たい涙、老婆の月

あなたは微笑んで一台の機械の側に立つ
見開きが本当であるなら、海から私は見るでしょう
本当は見開きの向こうなら、海からあなたが見るでしょう
無秩序を目指して交差する無数の交差点と
無音で走ろうとする無数の車両、電車、見たことのない乗物たち

海音が遠ざかりながら私たちを置いてゆけば
ただ七秒が進み、ただ七秒が後退します
見開きが本当である海を出てしまう時間のなかで
だれもいません、だれもいませんね、と囁きます
2015-01-16 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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