王の与え

つまるところ<私>はひとつの絶望を知る
<私>の悦びになり得ることが与えることだけであること
ただ与え、与えられ悦ぶ者の快楽のおこぼれを享受するだけであること
(今は与えが快楽を生まない絶望については考えずにいよう)
その果てにあるのが、ただ一人きりの王であり
ただ一人の<私>が君臨するだけであることを

始まりは与えられることを悦ぶだけの乳飲子、
乳飲子が母の乳首を吸う唇であって、
ただ乳を飲むことだけで生きることを許され、
すべてを祝福されて、それを悦び、快楽としてしまったこと

あまりにも単純な、生の支配公式

すべての<私>が逃れ得ぬ支配の原記憶
<私>が在るための呪縛であり軛こそが
<私>を<私>ならしめ、ならしめた、ならしめている、
唯一のものであったということの喜劇的悲劇…

悲劇的人間劇場よ!
これは決して倫理などですらないのだ!!

乳飲子に乳を与えること、
それこそが悲劇の受け渡しであった

そんなにも簡単なことが
<私>の絶望のすべてであるとは、
そのとき<私>は、拒絶すら知らなかったというのに
拒絶も知らずに重荷を、永遠の重荷を背負い
どれだけの荒野が、無限の荒野が

すべてが<私>を支配し続けるだけだなんて!!
2015-01-23 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

拝啓




Author mak From "空白"

想一葉、兼訪問帳

星々の冷却(書肆侃侃房)
渓谷0年(オンライン版)
Both by mさん

【 無意味という意味 】
すこしの風を追いかけて
【 短文 】
大海にも降る一滴
2015.07.17.

For Admin

落書内検索

月毎落書

一言お報せ

リンクは勝手に頂戴、削除してます
ご迷惑な場合は、ご一報下さい



メール・チェックは非常に稀です


BlogPeople

出現するかもエリア-転記候補