枯枝の呼び方に独り

枯枝の呼び方が忘れられてしまっていること
そのことが気にかかったままの逍遥は迷路だった
出遭うはずのものが出遭うことを忘れ、
あるいは拒否し合い、拒絶し合い
まるで、その、枯枝を見るようだった
しかし、だれも、やはり想い出せないまま
人々は出遭うことなく、また拒否し合い、拒絶し合い
要するに互いを互いとして認め合うことなく
ただ呼び方を忘れた枯枝を見つめる
その一点だけで繋がろうとし始める
そう、そんな夢を見るようにして私は
ひとつの丘を遠くまで下りながら
ある意味では海岸と呼べるだろうところに出て
手に触れられる前には必ず死んでしまう貝を見つける
なにも話しはしないけれど、なにも働きかけてもこないけれど
ただ、その沈黙ですべてを拒絶する貝に出遭う
貝に訊きたかったのは枯枝の呼び方だけだったが
そんなことはどうでも良いとばかりに
貝を覆い始めた波を月が昇り
私は独りであることに気づいたのだった
2015-01-26 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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