ベンチがあるのならば私たちはいない

きみを降る雨を殴りながら長い風を上り下りして
ようやく冬の陽だまりのように冷たく横たわったベンチからは
流れたことのない川さえもが見える
雪をかぶったことのない山並の頂きさえも

こだまを吹き鳴らす海はどこに消えただろうか-

電柱に張りついたまま動こうとしない
一枚だけ黒ずみ汚れたビニール袋の光のなかなら
私たちの秘密をこぼしたカバンが乾いて軽く揺れ
「私たち?」と小さいつぶやきが驚く

柔らかな胸なら月のように 夜の水平線をとどまって
受け止める眠りの重さに沈んでゆく 波のようにくりかえしていて

降る雨をきみが受け止め私が殴ったように
ささやかな願いだけを置き忘れたベンチなら
いつでも今を壊れてゆくみたいだと
きっと夕暮の風にささやいて
2015-02-01 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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