季節の少女

それほどまで鍛え上げられた肉体をもってなら、きっと夏の空を目指していたのだろう。痩せ衰えさせるために降るスコールを、それでも再帰的に含んで積乱雲が季節を探して旅をする。空と海との境を失くすためならば、ひとつぶの雨さえ降れば十分だろうに。

ぬかるみだけを選んで弾けるスキップを少女は手に入れている。傘を差しながら激しい風を遠くに、はるか山向こうに遠ざけて、幅広の草原は一跨ぎで終わり森の内、一握の哀しみを投じるためだけに泉を掘り、彫像と化して微笑み。星を隠すならくすんだ夜空に、昼の空なら太陽を、熱砂のうちには情熱が宿らない。

少女の彫像なら泉の畔、泉の畔以外で少女を見かけたことがない。だれも知らない波だけが小さく繰り返す泉の畔になら、少しの少女も微笑んでいる。重い、重い、いくらでも重ね重くなる薄い日々を背負う両親を捨てて、いくらでも遠くまで行ける電車なら乗れなかったかもしれないけれど、少しの少女なら微笑む泉、その畔。
入道雲が訪れるには、まだ遠い。そして遥か以前に訪れてしまった、そういう畔、それを持つ泉、その畔。
リフレインする、それが再帰なのかを問わず、リフレインする、あるテーマ、失われたテーマ、季節。
2015-02-15 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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