あるいは<遠さ>として過ごす(改行へ)

どこまでも歩いてゆこうと辿り着く海岸線は荒い波だけが無数に押し寄せてきていて、入道雲で定かでない水平線だけが距離に似た海を広げも狭めもせずに<向こう>にある対岸なら、しかし<遠い>とは限らない。

春を見るような気分で眺められている川面が氾濫すると夏のような田園風景が空を映すのだけれど、季節は変わらないままでいて欲しいと願うひとに寄りそったままでいる。どこか、もう少し遠くが、見えない<向こう>がないだろうかと探す視線をさえぎって低く飛ぶ鳥に名前を授けることはない。きみが、そう決めたように点にしか見えない鳥だけを<鳥>と呼ぼう。

懐かしさが直ぐに文字になり、刻まれ風化する一連を繰り返す丘の上でなら眠ることもできるのだろうか、恋しいときにはだれもいないというような時間が訪れるのだろうか。コーヒー一杯で朝焼けから夕焼までをながめる喫茶店の窓枠はマスターの苦笑いで出来ているね、とボンヤリと想いつく。
丘は、ここで良いと、そのときに気づく。<向こう>なら、ここから見える、すべてがここからなら<遠い>ことに気づく。二杯目のコーヒーよりも苦い三杯目のコーヒーには飛び込みながら、懐かしさのなかで流れる涙を忘れようとしている。





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どこまでも歩いてゆこうと辿り着く海岸線は
荒い波だけが無数に押し寄せてきていて
入道雲で定かでない水平線だけが距離に似た海を広げも狭めもせずに
<向こう>にある対岸なら、しかし
<遠い>とは限らない



春を見るような気分で眺められている川面が氾濫すると
夏のような田園風景が空を映すのだけれど季節は
変わらないままでいて欲しいと願うひとに寄りそったままでいる

どこか、もう少し遠くが、見えない<向こう>がないだろうかと
探す視線をさえぎって低く飛ぶ鳥に名前を授けることはない

きみが、そう決めたように
点にしか見えない鳥だけを<鳥>と呼ぼう



懐かしさが直ぐに文字になり
刻まれ風化する一連を繰り返す丘の上でなら眠ることもできるのだろうか
恋しいときにはだれもいないというような時間が訪れるのだろうか


コーヒー一杯で朝焼けから夕焼までをながめる喫茶店の窓枠は
マスターの苦笑いで出来ているね、とボンヤリと想いつく


丘は、ここで良いと、そのときに気づく
<向こう>なら、ここから見える
すべてがここからなら
<遠い>ことに気づく

二杯目のコーヒーよりも苦い
三杯目のコーヒーには飛び込みながら
懐かしさのなかで流れる涙を忘れようとしている
2015-02-21 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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