季節のように

寒さのなかで震えることだけが、やり過ごすことだった。
「冬が終わる、冬が終わる」
春の訪れが告げられないまま何度もくりかえし告げられるの冬の終わりだった-

季節には何度も語ることを止めることに決めたはずなのに、何度でも巡ってくる。巡ってくる季節、季節を拒絶する力もないまま、なにを送っているのかも分からない鉄塔となって夕陽に染められている、ある日の情景。暗い中に掲げられたままの白い腕を見つめながら大きく弓なりに傾いてゆく鉄塔。季節のなかに消えてゆく、ひとりの女性を想い出し始めている。

交替してゆく想い出のなかを散策するように落葉を拾い、放り、拾い、柔らかな指先は、あくまで冷たい。
「昨日は一日、眠っていたわ」「ぼくも、だ」「そう」
報告が終わると次の眠りを探して別れる二人、女性は男性を探すことがない。

凪いでいる海を前に眠れない男ばかりが肩を並べていた。なにも言わずに昏いまま、静かな波音だけを送ってくる海に似た方向を向いていた。そんな男ばかりでギッシリの浜辺があった。
2015-02-22 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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