舟、二人の舟

舟と舟の間にある涙で波を一度だけ、一度だけ愛したことがある。
遠い話はしたくない、今の話も必要ないだろう、これからの話もなおのこと不要だ。ことばを、話を時に渡したくはない、そんなことを言ってみたい(それを存在などとは言いたくはない)。闇のなかでは海もよくは分からないのに、しつこい潮の匂いが鼻から離れることがない。捨てたいものばかりが捨てられずに残る逆説ばかりを想い出す。
もう海から離れようと、いくども想うのに、戻る場所がなくて海にいる。
深い底も知らずに、浜辺で待つ恋人も知らずに、相乗りする友だちも知らずに。
-水平線が光る夜の海、私たちの舟は二艘なのか一艘なのか、分からない…
そう、つぶやく声を自分の声として隣に聴きながら暗闇のなかにしか見つからない眠りが見つからない暗闇を彷徨っている。
2015-02-24 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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