ぼくたちの川で

昨日の足音しか聴こえないバス停では雨が待つと告げていて、もう少し先に行くと、きっと季節のない海に出るところで冬と出遭う。九十九折からはみ出した程度で良いから休憩所があれば良い、崖に沿ってだれしもが想うけれど、その頭を休憩所にしている。

うんと美しい、川かな、川を見たいね-
きみの注文は、いつだって難しい。鳥が飛ぶように風が吹き、きみは泣くことを諦めていた。
どうして川を捨てたのか、想い出せない-

想い出したように鎧戸の向こうを過ぎ去るバスのエンジン音は、いつでも遠ざかる音だった。そのことについて話そうと窓を閉じながら、きみはソファに倒れ込むだけで眠ろうとして眠れない。
いつでも火が絶えてゆくばかりの暖炉の前で、きみは時間を見つめ始めるだろうか、想い出はいやらしさにしか属さないね。それでも、いくつかの詩がつぶやかれはしたのだ、残ることを拒絶するだけで詩であろうとする詩が。

忘却と、ひとの言う、忘却、と-

きみの隣が、だれでも待ち、だれをも待たないように空いたまま、ぼくはそこを川なのだと想う。
ぼくたちは川なのだと想う。
2015-03-08 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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