花火の終わるまで

人ごみの露店通りの連なる先で
晩夏の花火が大輪を咲かせ始めると
笑いながら息を切らせながら、
私達は光と音が近付くように
強く、強く互いの手を握り締めることでしょう

光と音が重なる下で
君と私も重なることでしょう
辺りの空気と一緒に、
君と私も震えることでしょう
辺りが照らされるのと一緒に、
君と私も光ることでしょう

消えるために咲く、あの花のように
私達の晩夏が急ぎ足で暮れて行きます
そのとき花の合間に鳴り響く、
虫の音に耳を傾けながら私達は
互いの肩に首傾けることでしょう

消えるために咲く、あの花を
そして黙って見つめ続けることでしょう
耳の奥に同じ轟きが響いてくれることを祈りながら
瞳の奥に同じ閃光が焼きついてくれることを祈りながら

人気のなくなった、その場所で
いつでまでも二人で佇むでしょう
消えてしまった、あの花の後に
黙って光る星を見つめながら
消えては光る星を見つめながら

花火が終わってしまったから
終わってしまったことを知ったから
互いの手を重ね、肩を並べて立ったまま
あの星々を見つめ続けることでしょう
2006-09-03 23:07 : 落陽 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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