<主体> 試論 -主体という"場"の一風景-

反論しない自分を侮蔑することは、侮蔑する視線のなかに宿る自尊心を最も容易く満たしてしまう、という、ありがちな話から始めてみたい。

そのとき、私は私に対して最も巧みな可罰的審判者として、あらゆる罰を甘美な快感に変容、吸収させてしまう。私の罪を告発する私という審判者はナルシシズムに加担する、最も賛美され愛されるべき<絶対的存在者>となる。告発され断罪され罰せられる私と、告発し審判し罰する私という構造から導き出される装置的現象は、<いずれにしても>私は欲望を満たされ得ることになる、ということだ。
<他者との関係>は、そういった、いわば受動的私と能動的私のどちらを選択するべきかの最後の圧力として機能するのに必要とされるに過ぎない。

<主体>は存在するが、ただ如何なる<視線>よりも素早く<享受>の場所を占めてしまう、<存在する非在者>であり<"遍"在する"偏"重力>そのものといってよく、<主体>の鋭敏な先見力と巧みな構成力は脅威的ですらある。
ただの事実、ただの属性でしかないものにすら<主体>は、あまりに鮮やかな色を持たせ、あまりに種々の価値を持たせてしまうのだ。

そういう性質を持つ<主体>に対抗して東洋思想の採った<戦略>が「不動」であり、「色即是空 空即是色」という<認識>である。
2015-04-10 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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