君への想い出

どうやら人は疲弊し斃れ、死んで 腐食してゆくために
想い出というものやらを創りつづけているらしい
その重さが耐え切れないほどに重くなることを発見し、
それを担えば大地に戻れると想ったらしいのだ

だから君の、君への想い出と言いたいのだが、
それすら私の生(そんなものがあるのなら)から死への
はなむけの贈りものとして私は受け取るのだ

やがては、その重さにさえ耐え切れず私は、
君を棄てるように忘れるように死ぬことができる。
それを解放と呼ぶには私には抵抗があるのだが、
永遠を持ち出すのには、更に抵抗があるのだ。

君を知った安いトタンの屋根を覚えているだろうか、
いつでも夏の日照りに焼かれたように一色に輝くトタンの屋根を。
私も君も無色のままでいたはずだった、ある屋根を。

そんなものは、もはやどうでも良いし忘れてしまったが、
今でも左足の甲に残る火傷の痕は君が笑ったときにできたものだ。

頬よ、君の頬よ、遠く遠く想い出に刺さって抜くことのできぬ
君の頬を想い出しながら、私の死だって
歩みを止めることはないはずだろう、君の頬よ、その頬よ。
2015-05-03 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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